ブログ

【働く女性の体調管理】根性論から科学的理解と対処へ

【働く女性の体調管理】根性論から科学的理解と対処へ

女性のPMS(月経随伴症状)や更年期などの女性特有の症状は、「仕方がない」「我慢すべき」と考えられてきました。けれども、それらが原因で管理職を辞退したり退職を考える女性の事例から企業も本格的な対策に乗り出しています。9月13日に衆議院第一議員会館で開催された「女性の健康推進イニシアティブ(WHI)設立シンポジウム」より、女性の健康に関わるトピックをご紹介します。

 

女性の健康増進が社会にもたらす影響とは

日本医療政策機構が実施した「働く女性の健康増進調査2016」によると、働く女性の医療費や生産性損失(休業や就業中の効率低下)損失の合計は6.37兆円です。その要因として、婦人科がん検診の受診率が欧米の半分の値(40%程度)、30%が婦人科検診に行ったことがない等の事実があります。

祝辞のあいさつをされた、野田聖子大臣(総務大臣/女性活躍担当大臣/内閣府特命担当大臣)からは、「女性特有のがん検診も通常の健康診断に入れたほうがよい」というお話がありました。

日本医療政策機構代表理事の黒川清さんからは、憲法上では男女同権だが社会制度がまだまだ育っていないというお話がありました。例えば、夫婦別姓、男性のキャリアは単線(終身雇用、ライバル社に転職しにくい、仕事をやめられない)、同じ教育を受けても女性は活躍していない、お客様の半数は女性であるのに相変わらず男性が商品・サービスの決定権を持っていることなどの事例を上げて「なぜだろうと考えてみましょう」と投げかけがありました。

企業が女性の健康問題に取り組むべき理由

女性の健康推進イニシアティブ企業コンソーシアム プロデューサーの小嶋美代子さんからは、今こそ企業が女性の健康問題に取り組むべき理由として3つのお話がありました。

①女性活躍推進
女性の活躍の前提として健康で健やかに働く環境を作ることが大切。

②健康対策の拡大
女性の就業者増加の一方で企業の健康対策は男性向けであることが多い。特に40代50代女性に多い健康問題を企業が理解して取り組む必要がある。

③労働力の確保
女性が長く働き続けるということは、家族に女性がいる人や男性の健康にも風穴を開けることができる。

今こそ企業は働く人が選択肢を増やすために、情報アドバイス(ロールモデル講演、ライフキャリア研修等)、現状調査(アンケート等)、提言活動(事例共有等)を進めるべきであり、体調を崩した時に、仕事をあきらめなくてはいけないのではなく、新しい選択肢を従業員に提供してほしいとおっしゃっていました。

 

根性論ではなく、科学的に理解して対処する

ドコモ・ヘルスケア株式会社※の出井京子さんからは、「PMSで9割の女性が悩んでいるがタブー視されている」というお話がありました。体調が悪いのは根性で乗り切る、といった風潮があり、結果的に体調不良を「うつ病ではないか」と女性が勘違いしたり、「女性は感情的だ」と男性から誤解されたりといった事例があるということなのです。出井さんご自身も、婦人科に通院し、定量用ピルの処方で症状が改善し体調が改善したそうです。ホルモンの4周期を事前に知って準備しておくことで、楽になるとおっしゃっていました。
※ドコモ・ヘルスケア株式会社が手掛けるサービス「からだのキモチ

人事として関わっておきたいこと

経済界リーダーズセッションではライフネット生命保険の出口治明さん、株式会社アデランスの津村佳宏さん、デロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリーの烏野仁さんから、女性従業員の働き方や健康についての事例もご紹介いただきました。「仕事の面では違いがなくても、体の面の性差はある」「女性がプロモーションするための育成制度は必要」等の言葉が印象的でした。

これまで注目されてこなかった「女性の健康」について人事がまず情報収集し、健診の項目改善やセミナー実施等を始めることが求められていくでしょう。けれども一番大切なことは、一人一人の働く上での意向と健康状態を気にかけていくことではないでしょうか。

人事戦略リーダーズトークでは、モデレーターの西村統行さんから「上司から部下へPMS?とは聞けないですよね、どうしたらいいですか」と投げかけがありました。株式会社パソナ パソナキャリアカンパニーの岩下純子さんからは「気にしてくれているだけでいいんですよ」といった回答がありました。
「女性の健康」を軸に、男性、多世代、障害がある方など、あらゆる方がお互いの体調を気にして心を配る。その関係こそが大切なのかもしれません。

専門家として私自身も一人一人に寄り添い体調管理としごとの両立の面でアドバイスしていきたいと思います。

 

《企業向けサービス》

オフィスで温め×メンターサービス
キャリア見直しセミナー/再就職セミナー

《関連コラム》

3人に1人が病気と両立する時代、職場で必要なケアとは

誰も教えてくれなかった、40代の体調と仕事の両立問題

従業員の未病が企業の未病につながる理由

関連記事

ページ上部へ戻る