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人事制度は氷山の一角、ダイバーシティの本当のところ

人事制度は氷山の一角、ダイバーシティの本当のところ

企業の中で「ダイバーシティ推進施策」を進める際には、企業内で早急に改革が必要な領域から手を付けることが一般的です。そのため、「時間や場所の制約がなく、長時間労働や転勤も可能な男性社員」を想定としていた日本のビジネス界では、育児や介護などと両立しながら働く女性社員向けの人事制度の推進から進む、ということが多くありました。

ダイバーシティ推進は、自分には関係ない?

それでは、時間や場所の制約もなく、育児や介護も現在は必要がないとしたら、「ダイバーシティ推進施策」には全く関係がないということなのでしょうか?キャリアカウンセラーが解説します。

 

ダイバーシティの本来の意味

ダイバーシティは「多様性」と訳されていますが、それは個人個人の違い全てを指しています。性別や人種、年齢、体の障害の有無等、目に見えるものだけでなく、宗教や職業、性格、価値観など、目に見えないものも含まれます。企業の中での「ダイバーシティ推進施策」が、最初は女性や育児・介護中の社員向けからスタートしたとしても、それをきっかけに、あらゆる人と人との違いに議論を広げて、誰もが働きやすい環境とするにはどのようにしたらよいかを考えていくことが大切なのです。人事制度は施策の一つにすぎません。

もし、「女性だけを特別扱いしすぎではないか」「育児・介護中の人材だけの制度なのではないか」などの意見が言われるようになったとしたら、そもそもの施策の目的が十分伝わっていない可能性があります。

当事者ができること

ワーキングマザー向けのイベントに参加した際、多様な働き方や人事制度の整備に対して、参加者から「育児中の自分たちだけが恩恵を受けているような気がして、他の方に申し訳ない」という意見がでたことがありました。登壇者の方から「そう気づいた方が、組織の中でできることをやればよいのではないでしょうか」とアドバイスがありました。

ダイバーシティ推進施策の一つとして人事制度が導入されたとき、それを利用する当事者の方がどう理解して利用しているかも、大切なポイントです。安心して働ける場になったとき、当事者は声を上げ、周囲の一人一人が働きやすい場を作るのはどうしたらよいかを考えられるようになるでしょう。

 

注意してきたいこと

目に見えない人との違いは、お互いの誤解を産み、トラブルになることもあります。例えば、持病と両立しながら月数回の通院のために休みをもらい働く人のことを「休みが多く不真面目な人」と思い込んでいるかもしれませんし、LGBTの方に対して性別によって呼び名や態度を変えることで知らずに傷つけているのかもしれません。学歴が違う人に対して知らずに傷つける言葉を言っているのかもしれませんし、子供ができ難い人にとっては子育ての話も聞きたくないのかもしれません。
けれども、考えすぎて何も話せないようになるのも「言葉狩り」のようになり、お互いが安心して過ごせなくなります。
そもそもは、属する組織やグループが安心・安全な場であるかどうかが重要なのではないでしょうか。

 

安心・安全な場所とは

「この場は安心・安全な場所です」という大前提があって、「私はこういう人です」「あなたはどのような方ですか」というコミュニケーションが起こり、「実はこのような事情があります」というやりとりが始まります。安心・安全がなければ自分から発信もしないでしょうし、違いはわからないまま終わるでしょう。

例えば、私自身は現在、女性で、キャリアカウンセラーで、既婚で、子供がおり、九州の福岡育ち…などの属性があり、オープンにもしています。けれども、自分が経験してなかったり、属していないカテゴリーの方々が集まる場では最初は緊張します。例えば大企業の役員・管理職(出身)の方々の集まりの場、留学経験者が多く集まる場、男性経営者ばかりの集まりなどです。それでも、それらの場で交流を図っていく理由は、人への興味がとても強いことと、自分がその場にいることの意味を毎回考える性質から来ています。
どのような場であっても「安心・安全な場にする」ことが、自分の役割の一つだとも考えているのです。

個人個人の違いを理解し、誰もが働きやすい場を広げていくこと。キャリアカウンセラーとして今後も関わっていきたいと思います。

<イベント情報>
5/22(火)NPO法人GEWEL交流会 多様な働き方編

 

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