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均等法世代と育休世代、違いを乗り越えるヒントとは

均等法世代と育休世代、違いを乗り越えるヒントとは

女性の育児休業取得率(*)はこの10年、80%を超えています。出産後も職場復帰して働き続けることがスタンダードになってきたと言えるのではないでしょうか。けれども、職場によっては復帰後の職場の受入れがスムーズではなく「働きにくさ」を本人が感じ、悩んでいるケースも少なくありません。そして、その要因の一つが、「先輩ママ」である40代以上の女性上司や先輩の存在であることも知られています。そこで今回は、男女雇用均等法施行後数年の45歳以上「均等法世代」と、その下の「育休世代」との考え方の違いと乗越えるヒントについて解説します。

◆均等法世代が切り拓いた、育休世代の道

1996年の女性の育休取得率は49.1%。制度があっても取得するのはまだ一般的ではない時代でした。正社員は退職し、数年育児に専念し短時間の非正規社員として再雇用や転職のケースも多く見られたのです。
育休取得の場合は、事例が少ないため周囲の戸惑いも大きく「代替要員をどうするのか」等、周囲からの風当たりもありました。
ビジネスの世界ではまだ男性社会の色が濃く、「働き続ける女性」の取扱いに慣れていなかったからです。

1986年に施行された男女雇用均等法では定年、解雇、教育訓練などで女性差別を禁止したものの、募集や配置、昇進は事業主の努力義務にとどまったため男女で仕事内容や昇進スピードが違うということもよくありました。

1998年にセクハラ規程が盛り込まれて、募集や配置、昇進の女性差別も禁止されましたが、均等法世代の女性達が結婚・出産時期を迎えた時代は実際の職場では対応が追いついておらず、妊娠や出産時期には「辞めないの?」という雰囲気になることもよくありました。

その中で職場に働きかけて育児休暇を取得し、働き続けた均等法世代の女性達は、仕事を続けるために実績を出し続けることに重きを置き努力を重ね、親や外部サービスを頼って子育てを両立してきました。

まさに、「働き続ける女性モデル」として道を切り開いてきた自負があると言えるでしょう。

 

◆育休世代が広げた、ワーママの活躍の場

育休取得率が80%を超えて、職場でも時短勤務制度や在宅勤務制度等の導入も進み、出産しても働き続けることがスタンダートの時代となりました。職場での復帰前のセミナー、社外のワーキングママ向けの両立支援やスキルアップのセミナーなども増えました。

また、家事や育児に抵抗が少ない「家庭科必修世代」(*2)の夫の存在もあり、均等法世代に比べると「子供ができても働き続けること」に意識的な抵抗が少ない世代ではないでしょうか。

その育休世代からみて、均等法世代の「仕事を続けるために実績を出し続ける」「親や外部サービスを使っても仕事との両立をする」考え方が、やや過剰だと感じることが往々にしてあるのです。

「キャリアップのためにはフルタイムで働いたほうが良い」
「あなたの働きぶりで女性社員の価値が決まる」等の均等法世代からの発言が、
「そこまでして両立できる自信がない」
「均等法世代のほうがやりすぎ」だと捉えられて職場復帰が億劫になる場合や、復帰後に悩むケースもあるのです。
「できるだけ時短勤務を使いたい」
「親ではなく自分たちで子供をみたい」等、人によって価値観も違います。この世代間の違いをどう乗り切ればよいのでしょうか?

◆次の世代のために残せるものとは

均等法世代は、育休世代は自分たちとは育った環境や価値観が違うということを認識し、人によって違う「仕事への関わり方」の理解に努めるとよいでしょう。
育休世代は、均等法世代の出産を迎えた時期の時代背景を知り、道を切り開いてきたことに敬意を払った上で、自分の考え方の違いを伝えていくとよいでしょう。
そして、お互いの価値観を統合して職場全体の環境改善につながる施策を提案していってはどうでしょうか。

休業制度や時短勤務制度等は、「子供を持つ女性」向けの特別な施策ではなくなってきています。子供を持つ男性、介護や不妊治療・持病との両立を考える人たち、すなわち誰もが使う可能性があるのです。個人が抱える事情や仕事への関わり方の希望も多様化しており、それに合わせた複数の働き方や人事評価制度が必要になってくるでしょう。
本当の意味でのダイバーシティが議論される時期に来ているのです。

単に、職場の中の女性の世代間の問題と捉えずに、視座を上げていきたいものですね。困難を乗り越えてきた女性だからこそ、次の世代のためにできることがあるのです。

(*)女性の育児休業取得率とは5人以上の従業員がいる事業所で出産した本人が育児休業を取得した割合。
10名出産し、そのうち8名が育児休業を取得した場合は取得率80%。
(*2)1993年から中学校、1994年から高等学校で家庭科が男女共修が実施された。

《参考コラム》

「家庭科必修世代が違和感?!職場に残る男女の違い」
お客様の声「ワーキングママのキャリアアップカウンセリング」
女性リーダーはカジハラをしない、背景と考え方【35歳からのキャリア】

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